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キムチ由来乳酸菌が血糖値に与える影響
背景
キムチは、乳酸菌の働きを利用して作られる韓国の伝統的な発酵食品です。これまでのマウスを用いた研究では、キムチから分離された乳酸菌が、糖尿病に関連する症状を改善する可能性が報告されています。今回紹介する研究では、食後血糖値が高めの糖尿病予備群の人を対象にヒト介入試験を行い、キムチ由来の特定の乳酸菌が血糖管理に与える影響を調べました。
結果
約40人の被験者を、キムチ由来乳酸菌であるLactobacillus plantrum HAC01を摂取する群と、乳酸菌を含まない対照群に分け、8週間の試験を行いました。
その結果、キムチ由来乳酸菌を摂取した群では、対照群と比べて、糖を摂取してから2時間後の血糖値と、過去1〜2か月の血糖状態を反映する指標であるHbA1cが改善することが示されました。一方で、空腹時血糖値やインスリン抵抗性の指標、腸内細菌の組成、便中の短鎖脂肪酸には、明確な変化は確認されませんでした。

コメント
マウスを用いた研究で示されていた結果と同じように、ヒトでもキムチ由来の乳酸菌が血糖管理に役立つ可能性が示されました。特に、食後の血糖値とHbA1cに変化が見られた点は興味深いところです。ただし、今回の試験では、腸内細菌の大きな変化や短鎖脂肪酸の増加は確認されていません。そのため、この乳酸菌がどのような仕組みで血糖に影響したのかは、まだはっきりしていません。今後は、より多くの人を対象にした試験や、作用メカニズムの検証が必要です。
日常生活へのポイント
乳酸菌はキムチの発酵に関わるだけでなく、血糖管理にも良い影響を与える可能性があります。ただし、今回の研究で用いられたのはキムチそのものではなく、キムチから分離された特定の乳酸菌です。そのため、市販されているすべてのキムチで同じ効果が得られるわけではありません。
血糖管理の基本は、食事バランス、運動、必要に応じた医療的な管理です。そのうえで将来的には、味だけでなく、含まれている乳酸菌の種類にも注目してキムチや発酵食品を選ぶ時代が来るかもしれません。
引用文献
Mi-Ra et al., Lactobacillus plantarum HAC01 Supplementation Improves Glycemic Control in Prediabetic Subjects: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial, Nutrients, 2021
