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テンジャンは熟成期間が長いほど抗がん作用が高まる? -発酵が生み出す新たな力-

背景


テンジャン(韓国味噌)は、大豆を長期間発酵・熟成させてつくられる韓国の伝統的な発酵食品です。発酵が進むにつれて、うま味だけでなく、ゲニステインなどのイソフラボンや様々な生理活性成分が変化し、健康への働きにも注目が集まっています。これまでにもテンジャンの健康効果は報告されていましたが、熟成期間の違いによって機能性がどのように変化するかは十分に分かっていませんでした。
そこで本研究では、3ヶ月、6ヶ月、24ヶ月熟成したテンジャン由来成分を用いて、熟成期間の違いが抗がん作用に与える影響を検証しました。

結果


マウスにテンジャン由来成分を投与したところ、長期間熟成したテンジャン由来成分ほど、腫瘍の増殖を抑える傾向が見られました。特に24ヶ月熟成テンジャンでは、腫瘍の大きさだけでなく、肺への転移も大きく抑えられていました。
また、がん細胞を攻撃するナチュラルキラー(NK)細胞の活性は熟成期間が長くなるほど有意に上昇しました。腫瘍の形成を抑える効果も熟成期間が長くなるほど高まることが報告されました。さらに、体内の有害物質を処理する酵素(GST)の働きも高くなっていました。

コメント


この研究で興味深いのは、「発酵したかどうか」ではなく、「どれだけ熟成したか」によって機能性が変化する可能性が示されたことです。筆者らは、熟成期間が長くなるにつれて増えるゲニステインやリノール酸、メラノイジンなどの成分が、今回確認された抗がん作用に関係している可能性を考察しています。発酵という時間の経過によって食品中の成分が変化し、それが生体への働きにも影響しているのかもしれません。
一方で、今回の研究はマウスを用いた動物実験であるため、ヒトでも同様の効果が得られるかについては今後の検証が必要です。

日常生活へのポイント


テンジャンの魅力は味や香りだけではありません。発酵・熟成という時間の中で食品の成分が少しずつ変化し、新たな特賞が生まれていくことも、発酵食品ならではのおもしろさです。今回の研究だけで、長期間熟成したテンジャンに抗がん作用があるとは言えません。
しかし、熟成期間によって食品の性質が変化する可能性を示した点は、とても興味深い結果です。発酵食品を選ぶときには、原料や産地だけでなく、「どのくらい熟成された食品なのか」にも目を向けてみると、発酵の奥深さをより楽しめるかもしれません。

参考文献


Keun-Ok Jung et al., Longer aging time increases the anticancer and antimetastatic properties of doenjang, Nutrition, 2006

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