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低アルコールワインのおいしさを左右する発酵方法

背景

近年、健康意識や飲酒量を抑えたいというニーズから、低アルコールワインへの関心が高まっています。しかし、ワインのアルコール度数が低くなると、コクや口当たりなどのバランスが変わり、酸味が目立ちやすくなることがあります。

そこで本研究では、カベルネ・ソーヴィニヨンを使い、①低温で発酵させる、②発酵後に酸を中和する、③酸を作りにくい酵母を使う、という3つの方法でワインの酸味を調整しました。完成したワインは、95人の消費者に飲み比べてもらい、味や香り、好みなどを評価しました。

結果

3つの方法すべてで、通常条件で作ったワインより酸度が低くなり、実際に感じる酸味も弱くなりました。最も酸度が低くなったのは低温で発酵させたワインで、次いで酸を作りにくい酵母を使ったワイン、発行後に中和したワインの順でした。

しかし、4種類のワインを好みの順に並べてもらうと、最も高い総合順位だったのは、酸を作りにくい酵母を使用したワインでした。酸度を最も下げた低温発酵のワインは、最も高く評価されたわけではありませんでした。また、酸味を抑える処理を行った3種類のワインは、通常条件のワインと比べて色が薄くなっていました。

コメント

この研究から、ワインは「酸味をできるだけ減らせば、おいしくなる」という単純なものではないことが分かります。低温発酵では、酸味を最も大きく抑えることができましたが、好みの順位が最も高かったのは、酸を作りにくい酵母を使ったワインでした。ワインのおいしさには、酸味だけでなく、色やアルコール感、香りなど、さまざまな要素のバランスが関係すると考えられます。

また興味深いのは、発酵温度や酵母の種類を変えることで、酸度だけでなくアルコール度数や色にも違いが生まれたことです。酵母は単にアルコールを作るだけではなく、ワインの味わいや印象を左右する重要な存在であることが分かります。ただし、本研究は特定のカベルネ・ソーヴィニヨンと酵母を使った試験で、官能評価も大学周辺の95人を対象に行われました。ほかの品種や地域でも同じ結果になるかどうかは、今後さらに研究する必要があります。

日常生活へのポイント

低アルコールワインは、アルコール度数だけで飲みやすさが決まるわけではありません。同じブドウから作ったワインでも、発酵させる温度や使う酵母によって、酸味や色、アルコール感などが変わり、味わい全体のバランスも変化します。低アルコールワインを選ぶ時には、アルコール度数だけでなく、酸味の強さやワイン全体の味わいにも注目してみると、自分の好みに合った一本を探す楽しみが広がるかもしれません。

引用文献:

Balancing acidity in low alcohol wines: effects of fermentation conditions, chemical modification, and yeast selection on consumer perception, 2026

https://www.frontiersin.org/journals/food-science-and-technology/articles/10.3389/frfst.2026.1926825/pdf

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