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焼酎の副産物で作る健康酢 抗酸化&血圧サポートへの可能性

背景

焼酎の蒸留後には各種原料由来の残渣が生じます。通常これらは廃棄されますが、残渣には原料や麹、酵母に由来する様々な成分が残っており、栄養・機能性成分を含んでいる可能性があります。近年、こうした残渣を活用して食品機能性を向上させる取り組みが注目されています。本研究ではこの焼酎副産物を使って酢を作り、原料の違いによって抗酸化作用、ACE阻害(血圧上昇の抑制)作用、AGE生成抑制作用などがどう変わるかが比較されました。

結果

大麦・サツマイモ・米の焼酎蒸留残渣から酢を作製したところ、全ての酢で抗酸化作用とACE阻害活性が確認されました。特にサツマイモ由来の酢は3種類の中で最も強い抗酸化力を示しました。
ACE阻害作用も全ての酢で元の蒸留残渣より強くなっており、発酵によってこの活性が高まることが示されました。また、AGE生成抑制は米由来の蒸留残渣でははっきりした活性が見られなかった一方、加工すると全ての酢で抑制作用が確認されました。

コメント

 この研究は、廃棄されることの多い焼酎副産物が、酢に変わることで有用な健康関連活性を持つことを示しています。本研究では、ACE阻害活性には発酵中に増えたペプチドが主に関わる可能性が示され、抗酸化活性については元から蒸留残渣に含まれていた成分が大きく寄与していると考えられています。さらに AGE生成抑制にはアミノ基の量や、原料によっては抗酸化成分が関係している可能性も示されました。ただし実験はすべて in vitro(試験管内)で行われたため、実際に体内で同じ効果が得られるかは不明です。活性の分子メカニズムも完全には解明されておらず、今後の研究でペプチドやフェノール類の詳細解析が必要です。

日常生活へのポイント

 焼酎の副産物を酢に加工することで、新しい価値を持つ発酵素材として利用できる可能性があります。特にサツマイモ由来の残渣は抗酸化力が高く、有用性が高いと考えられます。家庭や工場で作った酢で同様の効果が得られると、食品ロス削減と健康価値の両立ができるかもしれません。今後は原料別の活性を生かした商品開発、体内での効果検証が課題となります。

引用文献

In vitro evaluation of physiological activity of vinegar produced from barley-, sweet potato-, and rice-shochu post-distillation slurry

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15056886

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