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- 発酵食品
発酵条件で変わる、ぬか漬けのうまみ
背景
ぬか漬けは、日本で昔から親しまれている発酵食品です。私たちがぬか漬けを食べるときに感じるおいしさには、うま味や酸味、香り、食感などがあります。こうした味わいには、ぬか床に住む微生物が深く関わっていますが、それらがどのような役割を果たしているのかは十分にわかっていませんでした。
そこで本研究では、いくつかの市販のぬか漬けを調べ、ぬか床の中の微生物の種類と、うま味成分との関係を調べました。
結果
研究の結果、製造条件によって、完成したぬか漬けの菌の顔ぶれや、含まれる成分が大きく異なることがわかりました。特に、温暖で塩分が高い条件では、うま味のもととなるグルタミン酸や乳酸が大きく増加しました。
一方、低温で塩分が低い条件では、微生物の種類は多いもののグルタミン酸はそれほど多くはありませんでした。また、これまで発酵の中心と考えられていた乳酸菌だけではなく、これまであまり注目されてこなかったほかの種類の微生物も一緒に働きながら味づくりに関わっている可能性が示されました。

コメント
この研究から、ぬか漬けのおいしさや特徴は、野菜やぬか床にもともと含まれている成分だけで決まるのではなく、発酵中の微生物が生み出す成分によっても形づくられていることが示されました。興味深いのは、一般に発酵の主役と考えられやすい乳酸菌だけでなく、複数の微生物が関わりながら、うま味や酸味などの味づくりに影響している可能性が示されたことです。
今後は、発酵条件や成分の違いが味や健康にどのような影響を与えるかを明らかにする研究が期待されます。
日常生活へのポイント
ぬか漬けは、発酵によって味や成分が変化する食品であることがわかりました。同じ大根を使っていても、ぬか床の状態や塩分、温度、漬ける期間などによって、うま味や酸味、香りは変わります。野菜本来のおいしさだけでなく、発酵によって生まれる味の違いを楽しめることも、ぬか漬けの魅力です。さまざまな種類を食べ比べて、「この味にはどんな菌が関わっているのだろう」と想像してみると、いつもの漬物が少し違って感じられるかもしれません。
引用文献
The relationships between microbiota and the amino acids and organic acids in commercial vegetable pickle fermented in rice-bran beds, Kazunori Sawada et al., Scientific reports., 2021
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7815776/pdf/41598_2021_Article_81105.pdf
