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緑茶コンブチャを飲むと炎症を抑制する?―茶の種類で変わる発酵の力―

背景

コンブチャは、酢酸菌と酵母の働きによってお茶と砂糖を発酵させて作る飲み物です。発酵が進むと酢酸などの有機酸が作られるほか、お茶にもともと含まれるポリフェノール類も変化します。

これまでにもコンブチャの抗酸化作用や抗炎症作用が研究されてきましたが、原料となる茶の種類によって、含まれる成分やその働きがどのように変化するかは十分に明らかでありませんでした。

そこで本研究では、白茶・緑茶・紅茶を同じ条件で発酵させ、できあがったコンブチャの成分や抗酸化作用、炎症に関わる反応などを比較しました。

結果

発酵後の成分を調べると、白茶コンブチャではグルクロン酸や酢酸などの有機酸が多く、緑茶コンブチャでは総ポリフェノール量が最も高くなっていました。抗酸化作用については、評価方法によって違いが見られました。緑茶コンブチャはABTSやFRAPという方法で最も高い抗酸化作用を示し、白茶コンブチャは別の評価法であるDPPHで高い作用を示しました。

さらに、炎症を起こした状態を再現した培養細胞を使い、炎症時に増える一酸化窒素(NO)の産生を調べたところ、すべてのコンブチャでNOの産生が抑えられました。中でも緑茶コンブチャで最も強い抑制が見られ、次いで白茶、紅茶の順でした。

コメント

この研究で興味深いのは、同じ方法でコンブチャを作っても、原料となる茶の種類によって、発酵後にできる成分やその働きが異なったことです。緑茶コンブチャではポリフェノールが多く、抗酸化作用や炎症に関わるNOの産生を抑える作用が強くみられました。一方、白茶コンブチャでは有機酸が多く、今回の研究では病原菌に対する抗菌作用も強くみられました。つまり、「どのコンブチャが一番優れている」というより、原料となる茶によって異なる特徴が生まれると考える方がよさそうです。

ただし、今回の結果は、化学的な試験や培養採用を使った実験室レベルの研究です。ヒトがコンブチャを飲んだときに炎症が抑えられたり、病気の予防に繋がったりすることを示したものではありません。今後、動物やヒトを対象とした研究が必要です。

日常生活へのコメント

今回の研究から、コンブチャは「発酵させれば全て同じものになる」わけではなく、白茶、緑茶、紅茶など、何を原料にするかによって、発酵後の成分や特徴が変わることが分かりました。もちろん、「緑茶コンブチャを飲めば炎症を抑えられる」と結論付けることはできません。

しかし、同じ微生物で発酵させても、原料が違えば生まれる成分や働きも変わるという点は、発酵の奥深さを感じさせる結果です。コンブチャを選ぶときには、味や香りだけでなく、「何のお茶から作られているのか」にも注目してみると、それぞれの違いを楽しめるかもしれません。

参考文献

Nitsanat Cheepchirasuk et al., Functional metabolites and inhibitory efficacy of kombucha beverage on pathogenic bacteria, free radicals and inflammation, Scientific Reports, 2025; 15:19187. https://doi.org/10.1038/s41598-025-03545-z

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